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東急不動産係長が顧客に脅迫電話で逮捕、犯罪者に

東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。堺区検は9月3日、大阪府迷惑防止条例違反で略式起訴し、堺簡裁は同じ日に罰金20万円の略式命令を出した。

被害者は大阪府堺市のホテル運営会社の女性社長である。運営会社は2009年10月、東急不動産とコンサルタント契約を締結したが、契約内容や支払いに関してトラブルになっていた。高田容疑者は東急不動産側の担当者で、2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。

嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。被害者は200回もの無言電話があったと指摘する。高田容疑者は「社長とトラブルになり、恨みを晴らしてやろうと思った」と述べている。新聞は以下のように報道した。

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「東急不動産係長、女性社長に無言電話で逮捕」読売新聞2010年9月3日

取引でトラブルになったホテル運営会社の女性社長に無言電話を数十回繰り返したとして、大阪府警堺署が、不動産大手「東急不動産」(東京)ソリューション営業部係長・高田知弘容疑者(36)を府迷惑防止条例違反の疑いで逮捕していたことがわかった。高田容疑者は容疑を認めているという。

捜査関係者によると、高田容疑者は昨年12月〜今年6月、取引相手だった堺市内のホテル運営会社社長(49)の携帯電話に数十回にわたり、番号非通知設定で、無言電話をかけて嫌がらせをした疑い。

関係者によると、運営会社は昨年10月、コンサルタント契約を東急不動産と結んだが、契約内容や支払いを巡ってトラブルになっていた。高田容疑者は同社側の担当者だったという。

社長は「無言電話は200回くらいあった。『壊れろ、壊れろ』といううめき声が聞こえたこともあり、怖かった」と憤っている。

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東急不動産は9月3日付ニュースリリース「弊社社員の逮捕について」で、「お相手の方、及び弊社のお客様、お取引先などの皆様には多大なご迷惑とご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げます」と述べた。

東急不動産はビジネスで犯罪者を出したことになる。適正なコンサルティング契約が存在したか、適正なコンサルティングサービスを提供したか、という点はうやむやのままである。この点について明確に説明できなければ、東急不動産のコンサルティング契約には不審の目を向けられ続ける。

東急不動産係長逮捕事件

東急不動産係長逮捕事件とCREクレディールの落差

東急不動産係長逮捕事件は東急不動産のコンサルティングサービスの宣伝文句と実際の落差を示している。東急不動産ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして逮捕された。

高田知弘容疑者が所属していた東急不動産ソリューション営業本部(その後、事業創造本部CRE推進部)では企業所有の不動産(CRE; Corporate Real Estate)を最適化するコンサルティングサービス(CRE戦略推進アドバイザリーサービス)・クレディールを展開している。

高田容疑者は週刊ダイヤモンド2009年7月25日号掲載のパブ記事「緻密な分析と堅実なソリューションでCRE戦略の意思決定をサポート」に顔写真入りで登場し、クレディールについて以下のように説明していた。

「営業や物流、生産などの拠点の現状を見直し、物件ごとに事業貢献度を測定します。たとえば社員寮であれば、物件時価とともに入居率、運営コストなどを把握。市場の現況を勘案しながら、より収益に貢献する活用策として運営の外部委託、他事業への転用、売却などのプランを提示します」

パブ記事掲載時、高田容疑者の所属はソリューション営業本部ソリューション営業部であった。その後、2010年4月1日付の機構改革によってソリューション営業部は営業推進部と統合・分割され、営業第一部と営業第二部が新設された。

東急不動産では自社サイトとは別にクレディールの公式サイト「CRE戦略力クレディール」を開設している。そのサイトのインフォメーション欄には少なくとも8月29日時点では2009日7月21日付で「「週刊ダイヤモンド(7月25日号)」に当社記事掲載」と表示され、リンクをクリックするとパブ記事のPDFファイルを閲覧できた。しかし、高田容疑者逮捕報道後の9月4日には記載が削除された。

パブ記事では「同社(東急不動産)はあくまでも客観的・中立の姿勢を貫きつつ、本業の収益拡大に主眼を置いた戦略を提案する」と述べ、高田容疑者の以下の言葉を引用する。

「クライアントベストの追求が私たちのミッションです」

これはコンサルタントに望まれる姿であるが、トラブルになったホテル運営会社とのコンサルティングでは、クライアントのベスト追求の正反対であった。高田容疑者はクライアントを恨み、嫌がらせ電話を繰り返した。パブ記事の謳い文句と実態には信じ難いほどの落差がある。宣伝文句と実態の落差は東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急不動産だまし売り裁判と共通する(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。

その後、東急不動産は2011年4月1日付の機構改革でソリューション営業本部を廃止した。機構改革によってソリューション営業本部営業第一部と第二部は事業創造本部CRE推進部となった。改組の目的を「CRE(企業不動産の有効活用事業)を中心とした様々な切り口による情報開発を強化するため」とする(東急不動産株式会社「機構改革ならびに人事異動についてのお知らせ」2011年3月28日)。クレディールの公式サイト「CRE戦略力クレディール」の開設主体もソリューション営業本部営業第一部から事業創造本部CRE推進部に変更されている。

東急不動産係長逮捕事件とCREコンサルティング

トラブルになった顧客に脅迫電話を繰り返したとして、東急不動産係長・高田知弘容疑者(当時)が逮捕された。高田知弘容疑者はCREコンサルティングサービス「クレディール」に携わっていた(「緻密な分析と堅実なソリューションでCRE戦略の意思決定をサポート」週刊ダイヤモンド2009年7月25日号)。

このクレディールのアルファベット表記はCREdibleである。それでも読みはクレディブルではなく、何故かクレディールである。「You've Got Mail」を「ユー・ガット・メール」と表記するなど、この種の間違った英語表記は日本では少なくない。これは情報の受け手を侮った結果であると批判されている(小田嶋隆「「父親」を求める中二のオレらと、「ガールズ」の行く末」日経ビジネスオンライン2010年9月3日)。

クレディールのアルファベット表記では最初のCREは大文字である。これは企業所有不動産(Corporate Real Estate)の頭文字である。国土交通省が「合理的なCRE戦略の推進に関する研究会」を設置するなど、CREはビジネス用語として定着している。故にクレディールはCREとディールに分解できる。

ディールという言葉はdeal(取引、売買)を想起する。ここからは企業価値を向上させるためにCREを活用するコンサルティングではなく、クライアント企業の所有する不動産を切り売りし、手数料でコンサルティング企業が儲ける構図が連想される。これが運営会社のコンサルティングでトラブルとなった背景として考えられる。

さらにCREdibleには皮肉な結論を導き出せる。これと同じスペルの英単語credibleには二つの意味がある。第一に「信頼できる」であり、第二に「脅しが凄みのある」である。一般的には第一の意味で使われることが多い。第二の意味ではcredible threat(効果的な脅迫)という形で使われる。コンサルティングサービスとしては第一の意味でなければ困るが、嫌がらせ電話でクライアントを畏怖させることで第二の意味になってしまった。

クライアントに恨みを抱いたコンサルタントの心理を善意に分析すれば以下のようになる。コンサルティングは顧客の問題を解決するために有用な助言を行うことである。しかし、コンサルタントの中にはコンサルティングを自らの理想を実現する実験場と勘違いする人もいる。

クライアントの希望とコンサルタントの理想が合致すれば問題になることは少ない。しかし、コンサルタントの理想が顧客に受け入れられなければ、その種のコンサルタントはクライアントと衝突してしまう(林田力「オーマイニュース炎上史(2)オピニオン会員廃止」PJニュース2010年8月13日)。

実際、「人の話をきちんと聞けないこと」はコンサルティングの失敗事例として紹介されている。「自分の考えが正しく、若い連中に教えてやるという態度があったのだろう。顧客の意見や要望に真摯に耳を傾けるという姿勢に欠けた」(永井昭弘「人の話を聞かない40代 あるコンサルの失敗」日経SYSTEMS 2008年2月号13頁)

もっともクライアントとの衝突が必然的に嫌がらせ電話に発展するものではない。そこには地上げ屋や近隣対策屋、ブローカーなどと取引する東急不動産の陰湿さがある。これは東急不動産だまし売り裁判にも該当する。

林田力は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りされ、裁判で売買代金を取り戻した。そして裁判を記録したノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』を出版した。

ところが、どこから電話番号を仕入れたのか、出版後に嫌がらせまがいの不動産購入の勧誘電話が繰り返しかけられるようになった。マンションだまし売り被害者への不動産勧誘は被害者感情を逆撫でするものである。

その後、『東急不動産だまし売り裁判』が月刊誌サイゾーの「日本の裏側がわかる危ない本100冊」に取り上げられた。著者として取材を受けた林田力は出版のデメリットについて「嫌がらせまがいの不動産業者からの勧誘電話が増えた」とコメントした(「警察、学会、農業……の危険な裏 告発本が明らかにした「日本の闇」」サイゾー2010年1月号79頁)。

不思議なことに雑誌発売後は勧誘電話がなくなった。この経緯から勧誘電話に不気味な意図を感じている。その意味では東急不動産係長逮捕事件が明るみに出ることは、不動産業界の健全化に資することになる。

林田力「東急不動産係長がトラブル相手に嫌がらせ電話で逮捕(上)」PJニュース2010年9月6日
林田力「東急不動産係長がトラブル相手に嫌がらせ電話で逮捕(下)」PJニュース2010年9月7日
林田力「「無言電話逮捕」の東急不動産係長が「クライアントベストを」主張」リアルライブ2010年9月13日

東急不動産係長逮捕事件の衝撃

東急不動産係長逮捕事件も東急不動産だまし売り裁判も東急不動産の体質を示すものである。トラブル相手への脅迫電話にしても消費者へのマンションだまし売りにしてもトップが大目に見ているか、見て見ぬふりをしていなければ生じない。腐敗は大元で増殖するものである。

東急不動産係長・高田知弘の脅迫電話逮捕事件は衝撃を与えた。「番号非通知で身分隠して無言電話なんて、逃亡・罪証隠滅のおそれ十分じゃん 逮捕されて当然」との声が出た。また、「東急不動産の関わる住宅ってほんとセンスないわ」と東急不動産の本業の問題も指摘された。

さらに「どうしてこんなこと」と一般人では理解し難い犯人の異常性に着目した指摘がなされた。ブログ「堺 だいすき ブログ」も記事「東急不動産係長、女性社長に無言電話で逮捕」で「いろんな事件があるんだ」と驚く。ブログ「実録!ダメ人間ですわ」は記事「狂騒極・第2我苦招 202」で「物騒な世の中」の書き出しで東急不動産係長逮捕事件などを紹介する。

高田知弘には同情の余地はない。惨めな人物である。いい年をした人間が情けない。クズの典型である。人格が歪んでいる。人格形成に失敗した事例である。まともな母親ならば「こら知弘、母ちゃんは情けなくて涙が出るよ。勘当だよ。私の目が黒いうちは、家の敷居はまたがせないよ」と叱るだろう。あまりにもアホ過ぎて、こき下ろす言葉も見つからない。

この種の犯罪者は女性に暴力を振るうか、ストーカーになる。女性社長が殺されなくて良かった。女性社長は怖かっただろう。険しい岩山や氷壁を登っている時に押し寄せてくるアドレナリンを発散させるような恐ろしさではない。腹のそこからジワジワとこみ上げてくる、もっと陰湿な恐怖である。

犯行動機は恐らく逆上である。自分がうまくいかないと、プライドが許さなかったのだろう。「俺は賢い、俺に逆らう者はバカだ」くらいに思っていたのだろう。世の中は何でも自分の思うようになるとでも勘違いしていたのだろう。甚だしい思い上がりである。人のためになる仕事はできない人物である。高田知弘は一生一人で暗い道を歩むべきである。自分の卑劣さをかみしめながら、自分の罪を一生抱えていくべきである。



東急不動産係長逮捕事件とネット右翼

東急不動産係長・高田知弘の脅迫電話逮捕事件や東急不動産だまし売り裁判攻撃は偏狭で排外的なネット右翼と共通する。東急不動産係長の脅迫電話も東急不動産だまし売り裁判攻撃も歪んだ会社防衛意識がある。それはネット右翼の愛国心と同じである。東急不動産係長逮捕事件や東急不動産だまし売り裁判攻撃に対しても愛国心に対する数々の箴言は有効である。

サミュエル・ジョンソンSamuel Johnson 「愛国心とは、ならず者達の最後の避難所である」Patriotism is the last refuge of a scoundrel.

アンブローズ・ビアスAmbrose Bierce『悪魔の辞典The Devil's Dictionary』「愛国心とは自分の名を燦然と輝かそうという野心家が持つ松明に点火するための燃えるゴミ。ジョンソン博士は愛国心を、ならず者達の最後の手段と定義したが、最後ではなくて最初の手段と定義したい。」

Combustible rubbish read to the torch of any one ambitious to illuminate his name. In Dr. Johnson's famous dictionary patriotism is defined as the last resort of a scoundrel. With all due respect to an enlightened but inferior lexicographer I beg to submit that it is the first.

バートランド・ラッセル「愛国心とは喜んで人を殺し、つまらぬことのために死ぬことだ」Patriotism is the willingness to kill and be killed for trivial reasons.

バーナード・ショウGeorge Bernard Shaw「人類から愛国心を叩き出してしまわないかぎり、あなたがたは決して平穏な世界を持たないだろう」You'll never have a quiet world till you knock the patriotism out of the human race.

ハイネ「不思議なことだ、いつの時代においても悪人は自分の下劣な行為に、 宗教や道徳や愛国心のために奉仕したのだという仮面を着せようとつとめている」

ジミ・ヘンドリックス「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな!」

ヘンリー・ミラー「恐怖心や愛国心によって人を殺すのは、怒りや貪欲によって人を殺すのとまったく同じく悪い」

モーパッサン「愛国心と言う卵から、戦争が孵化する」Patriotism is a kind of religion; it is the egg from which wars are hatched.

アルベルト・アインシュタイン「英雄主義の強要、無分別な暴力、そして致命的なナンセンスの数々。愛国心の名の元に行われたこれらを、私は心の底から憎んでいます」

Heroism by order, senseless violence, and all the pestilent nonsense that goes by the name of patriotism -- how I hate them!

チャールズ・スペンサー・チャップリン「今日の大きな悪魔は愛国心、愛国心が大戦をもたらすのだ」

東急不動産係長・高田知弘容疑者が顧客に脅迫電話で逮捕
東急不動産係長・高田知弘が顧客に脅迫電話で逮捕
東急不動産係長が顧客に脅迫電話で逮捕、犯罪者に
東急不動産係長・高田知弘容疑者が取引先に脅迫電話で逮捕
東急不動産係長・高田知弘容疑者が取引先に脅迫電話で逮捕

東急不動産の東急リアル・エステート撤退に見るリートの矛盾

東急不動産は2010年1月13日にリート(不動産投資信託REIT)の東急リアル・エステート投資法人から撤退し、新たなリートを設立すると発表した。この決定はマーケットから好意的に評価されたが、そのこと自体が日本版リートの矛盾を際立たせる。
今回の決定により、東急不動産は保有する同投資法人の投資口と運用会社である東急リアル・エステート・インベスト・マネジメントの株式を東急電鉄に譲渡する。東急不動産が設立する新リートは、「東急」「とうきゅう」「TOKYU」のブランドを使用しない(東急リアル・エステート投資法人「スポンサーの異動に関する基本合意書の締結についてのお知らせの補足説明資料」2011年1月13日)。
リートは投資家から資金を集めて不動産に投資し、賃料収入など投資物件の収益を分配する仕組みである。ここで大きな疑問に直面する。それほど不動産投資のリターンが魅力的であるならば、リートなどという回りくどいことをせず、不動産業者が独自に行わないのか、という疑問である。教科書的な回答は投資家から広く資本を集めることで利益を大きくする一方、リスクも広く負担してもらうためである。これは株式会社の仕組みも同じであるが、リートでは投資家へのリスク転嫁の意味合いが強い。
東急不動産のようなリートのスポンサーとなる不動産業者のビジネスモデルは分譲が中心であった。新築マンションを建設し、販売することで投下資本を回収する。マンション業者には分譲ではなく、賃貸で利益を上げる選択肢もある。それでも多くの業者が分譲を選択する理由は、空室や物件陳腐化のリスクを避け、分譲によって即座に投下資本を回収したいからである。
分譲マンションの営業は「家賃を払い続ける賃貸よりも分譲が得」と囁くが、当の不動産業者自身は自社で保有するよりも、消費者に売り払った方が得と考えていることは認識しておくべきである。この賃貸と分譲の矛盾は悪質な勧誘が社会問題となっている投資用マンションにおいて露骨になる。最近でも国土交通省関東地方整備局が1月17日に強引な電話勧誘をしていたとして宅地建物取引業法施行規則違反で陽光都市開発に業務停止命令を出した。
一方でマンション業者にとっては分譲にも大きなリスクがある。売れ残りのリスクである。人気物件とメディアでは宣伝される傾向のある東京都世田谷区の新築マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」も竣工後も販売が継続している。
販売を受託する東急リバブルが2010年5月10日に発表した2011年3月期業績見通しで「『二子玉川ライズタワー&レジデンス』を中心に販売を促進する」としたほどである。2010年5月から引き渡しの始まった「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」の販売促進を2011年3月期に行うということは、竣工後の在庫物件が残っているということである。
リートは売れ残り物件を抱えるマンション業者にとって処分先になる。仮にリートの投資物件購入が投資家の納得の上でなされるならば、売れ残り物件であっても問題は少ない。問題は東急不動産などリートのスポンサーが、一方でマンション分譲業者であることである。そこでは銀行が不良債権を系列ノンバンクに買い取らせたように、自社の売れ残り物件を系列のリートに買い取らせる危険が存在する。そのような危険を現実化させないために情報開示など様々な制度が存在するが、それは危険が存在しないことを意味しない。反対に過去の多くの金融犯罪は法規制を欺いてきた。
現実にリートの情報開示には疑問があるものも多い。たとえば東急リアル・エステート投資法人は、賃料減額に応じて10年間の定期借家契約とした保有物件について「物件の資産価値は向上いたしました」と報告した(東急リアル・エステート投資法人「資産の譲渡に関するお知らせ(横浜山下町ビル(バーニーズニューヨーク横浜店))」2006年3月29日)。低家賃の長期契約を締結することで資産価値が向上するとの論理は強引である。予測される賃料収入が減額されれば物件の鑑定価格は下がる。また、長期契約の場合、中途解約されると収入の落ち込みが激しくなりため、リスクは高くなると評価することもできる。
東急不動産の今回の決定に対し、マーケットには「物件開発の資金回収スピードを速める」と好意的に評価する声がある。この評価自体がリートを売れ残り物件の押し付け先と見るようなものである。その意味ではオフィスビルなどの空室率が高く、賃料も低水準になっている現時点での新規リート設立は不動産業者にとっては合理的となる。
東急不動産は「コンフォリア」のブランドで賃貸マンションを展開しているが、これも自社スポンサーのリート・コンフォリア・レジデンシャル投資法人が関係する。自社で保有するよりも、リートに譲渡することで投下資本を速やかに回収する。そのために存在するようなリートならば投資家にとっては有害である。

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