激しく絡み合う脚

先日、何気なく近所を歩いていた時のこと。
視界の端に何か激しく動いているものが見え、気になって視線を向けると
アパートのベランダにある洗濯物が風に煽られていた。

風が強かったためか、予想外の動きをしており、
中でも向き合うように干されていたズボンの動きに私は目を奪われてしまった。

ズボンが激しく絡み合う様は「4の字固め」を掛け合っているようであり、
野獣の如くに愛を貪り合っているようであり……
と思うと突然各々が逆立ちをし始めたり、といった具合なのだ。
私はその脈絡のない動きを「おおーおーおー」と面白がっていたのだが、
ふと「ちょっと待てよ」と思った。

今の私は「他所の家の洗濯物を凝視し、興奮している」状態にある。
これが他人の目に映った場合、とんでもない勘違いをされてしまうのではないか、と思ったのだ。

私は慌ててその場を後にした。

日常の至る所にトラップは仕掛けられている。気をつけよう。


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