私のゆるせない話「立ち食いそば」

決して食事代を安くあげたいからではなく、
純粋に好きだという理由で牛丼屋を利用することが多い。

この手の店には食券制を導入しているところもあるが、これはこれは結構な話である。
まず何よりも、オーダーミスがなくなる。
もちろん、レジ作業に必要なリソースをそのまま調理等に注げるという作業効率面でのメリットも見逃せないだろう。

一方で、食券制を導入しない店もある。
たとえば、吉野家である。
なぜ吉野家が食券を導入せず後払いにしているかというと、
後払いだと店を出るお客に「ありがとうございました」と店員が必ず挨拶できるから、だという。
これはこれは結構なことである。
私は、食事を済ませた際は「ごちそうさま」というのが客側の最低限のマナーであると思っているが、同時に「ありがとうございました」という返しを期待してしまってもいる。
この期待に吉野家は100%応えてくれるのだ。
食券制の店の場合、店員がこちらに気づかないことがあり、
その場合「ごちそうさま」の声だけが空しく店内に響くという気恥ずかしいことになってしまう。

と、食券ひとつをとっても企業の努力や文化が透けて見え、
のほほんとアホ面下げてかっこんでいただけの自分は感心してしまうのであるが、
そんな私でも一言申し上げたい店がある。

それは、牛丼屋ではない。
食券制を導入している立ち食いそば屋だ。
私は、立ち食いそば屋も牛丼屋と同様に
食事代を安くあげたいからではなく純粋に好きだという理由で利用しているのだが、
どうしても腑に落ちないところがあるのだ。

「あー、今日はたぬきそば食おう」と思い食券を購入したとする。
立ち食いそば屋と書いているが大半の店がそばだけでなくうどんも扱っていて、
食券はそばとうどんで共用になっているのだ。
この場合なら「たぬき そば・うどん」というように記載されている。
その結果。

「うどん、そば、どっち?」と店員に訊かれることになり
そばかうどんかを口頭で告げることになる。

これでは、食券制の最大のメリットであるオーダーミスをなくすという面で不安が生じてしまう。
当然、食券導入店のマイナス点である退店時の「『ありがとうございました』抜き」のリスクは変わらない。

何でこんなことになるんだ。
うどんとそばで食券を別にすれば済む話じゃないか。


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