WBC世界フェザー級タイトルマッチ
チャンピオン:オスカー・ラリオス(2-1)挑戦者:粟生隆寛
序盤、粟生選手は積極的に仕掛け、4ラウンドには右のカウンターでダウンを奪う。
「すわKO勝ちか!」と大いに期待させてくれたが、詰め切れず。
この試合最大のチャンスを逃してしまう。
ダウンを奪った感触が忘れられなかったのか、
カウンター狙いの待ちのボクシングは見ていてもどかしかった。
勝利への糸は粟生選手の面前に垂れていた。
粟生選手はその糸を掴むところまでいったのだが……。
試合巧者のチャンピオンは勝つために、
いま何をすればいいのかを冷静に判断、アウトボクシングに方針を転換。
ジャブを的確に当てることで粟生選手を泥土へ引きずり落とす。
終盤もラリオスの老獪さが光る。粟生選手も負けじと必死にくらいつく。
両者、全力を尽くした殴り合いは決着つかず、12ラウンド終了。
結果は1-2の判定で、粟生はプロ入り後初の黒星。タイトル奪取ならず。
戦前予想は圧倒的不利。前の試合(榎戦)では「負けないこと」を最優先した超玄人好みの心理戦に終始、ファンの不評を買った粟生選手だったが、この大一番で素晴しいパフォーマンスを見せてくれた。
「次」に期待したい。
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン:長谷川穂積(2RTKO)挑戦者:アレハンドロ・バルデス
長谷川、鬼神の如き強さで7度目の防衛に成功。
1ラウンドで様子を見ればもう十分とばかりに2ラウンドで鋭いパンチを打ち込むと、
バルデス、まるで胴回し回転蹴りをしているかのように倒れこむ。
立ち上がるも、長谷川が凄まじいラッシュをかけたところでレフリーが止めに入り試合終了。
快勝。
長谷川選手の試合は、本当に安心して見ていられる。
熟練ドライバーの車に同乗しているような、気がついたら目的地についていた、という感覚。
戦前の「サウスポーが苦手。負けるとしたらサウスポー」という長谷川選手の言葉も、
この一戦を盛り上げるためについたウソなのではと思わず邪推してしまう強さだった。
後記事 : 先入観に振り回されて
前記事 : サッカーは、女の子のためにある
